
私たちが成長し、社会人となり、家庭を持っていくにつれ、これまでの私達の親との関係も変わってきます。
同じように歳月は流れ、子供の頃に感じた大きな存在であった私達の親は年老いていきます。身体機能は衰え、場合によっては大病によりこれまでのように自由に行動できなくなるかもしれません。
それでも、子供に頼ることなく、できる限りこれまで通りの生活を送りたいという親も多いことと思います。
このような状況の中、自分の社会人としての役割や自分の家庭をしっかりと築いていきながらも、遠方の親を大切にしていきたいという方は多いのではないでしょうか。
そんな時に親子共に役に立つのが、各会社や自治体が提供している高齢者を対象とした見守りサービスです。
とはいえ、これらの見守りサービスは、対象となる私達の親がどのようなサービスを必要としているのかによって変わってきますし、内容によっては度が過ぎると私達の親が拒否反応を示すこともあるかもしれません。
そこで、今回は様々な高齢者見守りサービスをタイプ別に分けて比較してみました。
この記事によって以下のことが理解できるようになります。
- 高齢者見守りサービスとはどんなサービスなのかがわかる
- 各タイプの高齢者見守りサービスのメリットやデメリットがわかる
- 自分の親に合う高齢者見守りサービスがどれなのかがわかる
皆さんの親の状況によってはまだまだこれらのサービスは必要なく、日々のやり取りで解決できてしまうかもしれません。
しかし、そのような状況でもこれからのことを想定し、これらのサービスを前もって理解することは、いざという時の備えになります。

これらの見守りサービスをうまく利用し、離れた親子がお互いに安心した生活が送れるようにしていきましょう。
高齢者見守りサービスとは何か?


見守りサービスの概要
高齢者見守りサービスは一言でいうと子供や親族に代わり高齢者の生活をサポートしてくれるサービスのことを指します。
具体的には以下のような内容のサービスです。
- 子供や親族に代わり対象者の安否や健康状態を確認してくれる
- サービスによっては、健康問題や今後について相談に乗ってくれる
- 対象者にトラブルが発生した際に親族に連絡したり、駆け付けてくれる
見守りサービスはどのような会社がやっているのか
これらのサービスは普段私達が使用しているようなサービスである電気や通信業者、警備会社などが主に行っています。また、場合によっては自治体によって行われているケースもあります。
また、デバイスを用いた見守りサービスとして各種家電メーカーがこれらの製品を開発することで行っている場合もあります。
見守りサービスはどのような高齢者が対象となるか
入院や介護を受けるまではいかないまでも、加齢に伴いこれまで通りの生活を送れるか不安な方が対象となります。
このような遠方の親が気になる子供世代がこれらのサービスを申し込むケースが多いです。
おすすめの高齢者見守りサービスのタイプ別に解説


高齢者見守りサービスをタイプに分けてみる
高齢者見守りサービスを大まかに分けると以下の通り分類できます。
- デバイス型
- 面会型
- 総合型
順を追って説明していきますね。
デバイス型
デバイス型とは?
主に家電やデジタル機器メーカーが提供するサービスで、見守りを目的に設計されたデバイスを対象となる高齢者の家や実際に本人が身につけることによって、対象者の生活を見守り、サポートしていきます。
デバイス型のメリットとデメリット
デバイス型の一般的なメリットは以下の通りです。
- 導入・維持費用が比較的安価な場合が多い
- 継続的な見守り情報を得ることが出来る
- 普段使う家電に見守り機能を付けたものが多く、高齢者の抵抗が少なく導入できる
一方で以下のデメリットが考えられます。
- デバイス自体の管理などは購入者にゆだねられる
- デバイスを介した健康管理がメインで、万が一の際のサポートは主に子供や親族が対応する場合が多い
- インターネット環境が必要な場合が多い
デバイス型はどんな人におすすめか?
以上のことから、デバイス型は以下のような方にお勧めです。
- 比較的親が健康だが、日々の生活や健康状態が気になる
- 見守りサービスがどんなものなのか試しに使用してみたい



家電などの親にプレゼントする際に、これらの見守り機能が追加されたものをプレゼントするというのも一つの手ですね
デバイス型はどんなものがあるか
デバイス型はいろんなサービスが展開されています。その一例を以下に示します。
ソニーのMANOMA
「MANOMA」はソニーが提供する新しいスマートホームシステムです。
「室内コミュニケーションカメラ」や「Qrio Lock」をはじめとした各種機器を組み合わせることによって、使用者のニーズに応じた見守りが可能になります。
また、オプションとしてセコムの駆け付けサービスを使用することも可能です。
詳しくは『MANOMAを実際に試した私の口コミ 遠方の親の見守りに使える?』をご覧ください。
まごチャンネル
こちらは、株式会社チカクが提供する、スマホなどの電子機器に詳しくなくても、定期的な孫の写真や動画などを遠方の親が楽しめる他、私達も「まごチャンネル」を通じて普段の遠方の親をさりげなく見守ることのできる製品になっています。
さらに「まごチャンネル」に警備会社大手のセコムが独自のセンサーを組み込み、見守り機能をさらに向上させた「まごチャンネルwith SECOM」もあります。
詳しくは『まごチャンネルでさりげない見守りを 評判や価格を調査しました』、および『まごチャンネルでセコムの見守り? 従来品と比較してみました』参照ください。
ALSOKのみまもりタグ
警備会社大手のALSOKが展開する、小型のBluetooth端末を用いた、高齢者の家族を対象とした不意な外出への備えとして考えられたサービスになります。
見守る相手の外出時の持ち物に小型の「みまもりタグ」と呼ばれる端末を付け、その周辺機器や専用のスマホアプリを用いることで、対象となる相手の外出が早期に分かり、探索時には居場所の手がかりが得られるというサービスです。
詳しくは『ALSOKのみまもりタグって何? 類似サービスとも比較しました』の記事を参照ください。
セコムのマイドクターウォッチ
警備会社大手のセコムが提供する親の見守りが可能なスマートウォッチになります。
普段は親の健康管理のために歩数や心拍数などの情報を記録、管理ができますが、万が一の際にはセコムの警備員を呼び出すことのできるスマートウォッチになります。
その呼び出す方法は、突然倒れたり、しばらく動きがなかった場合などでも自動でセコムに連絡がいくため、外出中に万が一のことがあっても安心です。
なお、こちらのサービスはセコムのみまもりサービスを含むホームセキュリティに契約している方限定のサービスになります。
詳しくは『セコムのマイドクターウォッチとは? 値段などの詳細を調査しました』の記事を参照ください。
トーンモバイルのスマートフォンサービス
ドリーム・トレイン・インターネット社が提供する、格安スマホサービスです。こちらの売りは、シニア世代の手厚いサービス展開です。
スマホ自体の操作についてわからないことがあれば遠隔操作で解決してくれる他、提供されるスマホに、スマホを使用する自身の親がどのように生活してるかを子供が確認できる見守り機能が付与されています。また、インターネットを介した、フィッシング詐欺やワンクリック詐欺を未然に防いでくれるアプリや、電話を介した詐欺行為を防止する機能などのサービスも受けることが出来ます。
詳しくは『トーンモバイルはシニア向け サービスや評判を解説します』の記事を参照してください。
ALSOKのまもるっく
ALSOKの「まもるっく」は、専用のスマートフォンにより、常に持ち歩くことのできるモバイルみまもりセキュリティです。
普段はスマートフォンと同様に使用が可能ですが、いざという時には付属のひもを引っ張ることによってALSOKに連絡がいき、場合によっては警備員がGPS情報を基に屋外でも駆け付けてくれるサービスです。
詳しくは『ALSOKのまもるっくって何? 外出先での親の見守りも安心』の記事を参照ください。
セコムのみまもりホン
こちらも同じく警備会社大手のセコムが提供するスマートフォン型のモバイルみまもりセキュリティです。
前述のALSOKの「まもるっく」と同様に屋外でのいざという時の駆け付けサービスを受けることが可能です。
詳しくは『セコムのみまもりホンの料金や内容を調査しました』をご覧ください。
セコムのココセコム
セコムが提供するモバイル型のみまもりセキュリティとして更に「ココセコム」があります。
こちらは「みまもりホン」に比べて更にシンプルな端末でスマホが苦手な方でも取り扱いやすいという特徴があります。
詳しくは『ココセコムで高齢者の見守り 2021年の新型についても解説します』の記事をご覧ください。
ALSOKのアルボeye
「アルボeye」はセンサー付きカメラで親を見守り、万が一の際には駆け付けサービスを使用できる比較的安価なサービスとなっています。
様々なサービスがある中で、比較的価格面と実用面でバランスの取れたサービスであると言えます。
詳しくは『ALSOKの「アルボeye」とは? センサー付きカメラで親の見守り』の記事をご覧ください。
面会型
面会型とは?
面会型とは、その名の通り、契約した高齢者宅に定期的に訪問し、対象者との会話を通じ、どのような生活を送っているかなどの記録を作成し、子供や親族に連絡してくれるサービスです。
面会型のメリットとデメリット
面会型のメリットは以下の通りです。
- 人を介していることから、より親の様子が細やかに確認できる
- 定期的にスタッフが訪問するため、防犯の観点からも効果的
また、デメリットは以下の通りとなります。
- 利用期間中は継続的に利用料金が発生する
- 対面を前提としたサービスとなるため、スタッフ質や、親との愛称により、親が拒否反応を示すことも
面会型はどんな人におすすめか?
以上のことから、面会型は以下の様な方にお勧めです。
- より細やかに親の様子を確認したい方
- おしゃべりするのが好きな親を持つ方



人を介した情報は確実でより安心できますね
面会型にはどんなものがあるか
面会型にもいろんなタイプが存在します。代表例を以下に示します。
郵便局の見守りサービス
全国各地にある郵便局の社員が定期的に私達の親に会いに行き、世間話をしてくれ、その様子をレポートしてくれるサービスです。
また、毎日決められた時間帯にご利用者に自動音声電話をお掛けし、体調確認を行い、その結果を自治体さまやご家族さまへメールでお伝えする「見守り電話サービス」もあります。
これらのサービスのオプションになりますが、万が一私達の親にもしもの時があったら、私達の家族の依頼により警備会社が私達の親の元に駆けつけてくれる”駆け付けサービス”も追加することが出来ます。
詳細は『郵便局のみまもりサービスの評判を調査 その特徴を解説します』の記事をご覧ください。
ワタミ ワタミの宅食
「ワタミの宅食」は。 地域に根差した担当のスタッフが直接の手渡しを基本に、日替わりの夕食を届けてくれるサービスです。
「ワタミの宅食」では、スタッフが商品を親の自宅に直接夕食を届ける特性を活かし、地域・行政と連携し"地域を見守る"取り組みに協力しています。
具体的には、スタッフが、お届けの際に地域・行政との協定に基づき、異変に気がついた場合、市区町村の指定の連絡先に通報するというものになります。



見守りがメインのサービスではありませんが、親が年を取り、生活を送る際に補うべき箇所を補いながら、直接会って話してくれる存在がいるのは頼もしいですね。
詳しくは『高齢者弁当宅配サービスとは ワタミの宅食に注目です』の記事を参照ください。
複合型
複合型とは?
複合型は、デバイス型、面会型を複合したサービスになります。これらのサービスは、警備会社が一つのパッケージとして用意されています。
基本的な見守りは契約先の会社より貸し出されるデバイスを介したものとなります。しかし、相談窓口への相談できたり、万が一何かあったときは専門スタッフが駆け付けるなどの手厚いサービスを受けられるのが特徴です。
複合型のメリットとデメリット
複合型のメリットは以下の通りです。
- これまでのタイプの中で最も手厚いサービスを受けることが出来る
- 通常はデバイスによる継続的な見守りが可能
- 万が一の時に専門の警備会社のスタッフが駆け付けてくれる
また、デメリットは以下の通りとなります。
- 発生する費用は最も高額
- 専用デバイスの設置など大掛かりな準備が必要
- 親の家にインターネット環境が必要
複合型はどんな人におすすめか?
以上のことから、面会型は以下の様な方にお勧めです。
- とにかく手厚いサービスで安心したい



思い切りが必要ですが、見守りとしての効果は一番高いかと思います
複合型にはどんなものがあるか
具体的には以下のサービスが有名です。
セコム・ホームセキュリティの”親の見守りプラン”
警備サービスでおなじみのセコム株式会社が高齢者を対象としたサービスを提供しています。
「親の見守りプラン」では、私達の親が家の中での行動範囲にセンサーを設置し、万が一、一定時間動きがないとセコムに通報される「安否見守りサービス」や、急病やケガをした際は握るだけの動作でセコムに緊急信号を送ることが出来る「救急通報サービス」などが用意されています。
これらのサービスを親のライフスタイルに合わせて組み合せる形で提供されます。
詳しくは『セコム”親の見守りプラン”の内容と料金を調査しました』の記事をご覧ください。
ALSOKの"HOME ALSOK 見守りサポート”
こちらも警備サービス大手の綜合警備保障株式会社(ALSOK)が提供する見守りサポートになります。
基本的なサービスは、対象者の家に取り付けられたシンプルなコントローラーにセンサーが備え付けられており、親が普段どうり生活しているかを私達が確認することが出来ます。また、私達の親ができる操作として、コントローラーを介して、24時間健康相談をすることが出来、万が一の時はボタン一つでALSOKのガードマンが駆け付けてくれます。
詳しくは『ALSOK “みまもりサポート” の内容や料金を調査しました』の記事をご覧ください。



大手警備会社2社のサービスを比較してみましたのでこちらもご覧ください。
おすすめの見守りサービスから親の状況に応じた最適なものを選びましょう


それぞれの家庭において状況は様々です。私達の親のライフスタイルや志向、体調などを考慮し、これらのサービスを有効に利用し、離れていてもお互いが安心して暮らせるような環境を整えましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。