認知症を理解しましょう ”認知症の取扱説明書”レビュー

認知症を理解しましょう ”認知症を理解しましょう”レビュー

皆さんは認知症に関してどのようなイメージを持っていますか?

昨今のニュースで高齢者が車で交通事故を起こし、認知機能を疑われたりするニュースをよく見たりしませんか?
また、「ばぁさん、飯はまだかのぉ?」なんてコントで聞いたような発言ですが、実際に日常生活でこのようにこれまで覚えていた直近の記憶がないといった症状は良く聞いたりしませんか?
このような症状は認知症が原因で、もう症状が改善することがないようなイメージを持っている方は多いと思います。でも、それって本当なのでしょうか?
今回紹介する”認知症の取扱説明書”を書いた平松 類さんはこの疑問に関してはNoと言っています。なぜなら、「認知症以外にも原因が考えられる「認知症だったとしてもあきらめてはいけない。症状をよくしたり、認知症の進行を遅らせることができる場合が多い」と考えているからです。
一体どうゆうことでしょうか?本書にはその内容が書かれています。
本書で、一緒にまずは認知症についての理解するところから始めませんか?
今回ご紹介する本で、その漠然とした不安が和らぐかもしれませんよ。

目次

”認知症の取扱説明書”ってどんな本?

認知症の取扱説明書

著者の方はどんな人?

平松 類さんは自身がこれまで医師として10万人以上の高齢者の方と接してきた経験と、数多くの参考文献を基に”老人の取扱説明書”を執筆し、既に10万部を突破するほどの反響を得ています。
こちらの本に関しましては既にレビューをしていますので、以下の記事を参照ください。

また、東京都葛飾区認知症対策委員であり、月100人以上の認知症患者を診察している開業医である内野 勝行さんが監修しており、その情報の信ぴょう性を確かなものとしています。

”認知症の取扱説明書”が言いたいこと

認知症の取扱説明書は医師で医学博士の平松 類さんが、前述のような認知症患者が起こすと考えられている”困った行動”が単に脳によるものではなく、加齢に伴う様々な部位の老化との複合的要因の結果であると位置づけています。

脳だけでなく、他の部位の老化も原因であるならば、これまで以上に対策が立てやすく、かつ認知症に関しても理解が深まりそうですね。

”認知症の取扱説明書”で何が学べるか

そして、前述の複合的な要因に対して対策を講じることで、周囲や本人がすべき新たな解決策について、専門知識のない私達一般の人を対象にわかりやすく教えてくれる本になります。

”認知症の取扱説明書”はどんな人におすすめか

”認知症の取扱説明書”は以下の人におすすめです。

・認知症、もしくは認知症と疑われる家族を持つ方

・将来認知症になることに不安を持つ方

・認知症、もしくは認知症と疑われる方と直接・間接的にでも関わる職業の方

認知症と体の老化を理解し、高齢者と接することで、全ての世代にやさしい社会になると筆者は言います。
個人的に上記の人だけでなく、より多くの人が読むべき本だと思います。

本書の目次

それでは、”認知症の取扱説明者”にどんなことが書かれているのか一部ですが紹介します。
出版社のサイトの電子版を試読すれば、すべての目次が確認できますので、もし興味があれば参照ください。
はじめに

  ・その問題行動、本当に認知症が原因ですか?

  ・ 原因がわかれば解決策が見つかるし、イライラが減る!

  ・問題行動を起こす本人、家族、関係する社会人のみなさまへ・・・  
第1章 困っている人がとにかく多い認知症の5大問題行動

・ 徘徊する
    ・ 睡眠不足になる/昼夜が逆転する

    ・ 「もの盗られ妄想」など、被害妄想をする
第2章 本人にとっていいことが全然ない問題行動
・家の中をゴミだらけにする
・身なりに無頓着になる

   ・新しいものを頑なに拒否する
第3章 多くの人を巻き込む大惨事になりかねない危険極まりない問題行動
   ・ 道路に急に飛び出してくる
       ・ 車を運転して交通事故を起こす
・ 火事を起こす
筆者のおわりに
監修者のおわりに

”認知症の取扱説明書”ではどんなことが書かれているか

”認知症の取扱説明書”にはどんなことが書かれているのか
前述の出版社のサイトの電子版を試読すれば、”はじめに”から、第一章の途中までまでは読むことができます。本書の雰囲気をつかむには十分な内容が書かれていますので是非試読してみて下さい。

認知症(もしくは疑われる人)が起こすと思われる問題行動が個別にピックアップされている

目次の一例を見ていただくとわかるかと思いますが、ひとつひとつがかなり具体的な行動についてピックアップされています。いきなり初めから読もうとすると疲れてしまうかもしれませんので、普段から疑問に思っていたような行動についてからまずは読み始めて、徐々に全体像をイメージできるようにするといいと思います。
因みに私は、”なんで徘徊するんだろう?”という疑問から読み始めました。
皆さんはどの問題行動が気になりますか?

具体的なシチュエーション、原因、予防策がわかりやすく、端的に書かれている

これは”老人の取扱説明書”と同様の流れになっていますが、この流れが私達一般の人にとって非常にわかりやすいです。
まず、具体的なシチュエーションで、具体的なイメージを抱くことができ、共感と興味を持つことができます。
そして、どうしてそのような困った行動をとってしまうのかを認知症の特徴である脳だけでなく、体の他の部位の老化が密接にかかわっており、これらが相互に影響しあうことが原因であることが具体的に書かれています。
例えば、前述の試し読みで読める、”短気ですぐ手を上げるようになる”という問題行動では、認知症の場合はそもそも今行われていることがそもそも認識できず、例えば食事を下げようとすると、”いじわるされている”と認識されてしまいます。
それ以外にも原因があり、そのひとつとして、老化に伴い聞き取りづらくなることでそもそも聞こえにくい(女性の場合は特に)という点を挙げています。そして、自分の声も聞こえにくいので声が大きくなり、怒鳴るような形になるとしています。
他にも認知症とは別に記憶力の低下も要因の一つとして挙げられており、例外として人に対して怒ったという記憶は残りやすいため、介護をしてくれる人に対して悪意を抱きやすいと書かれています。

対処法や自身がそうならないようにする予防策が書かれている

困った行動の原因やその理由はわかったけれど、ではどうしたらいいの?と読者は気になります。そこで平松さんは対処法や予防策についてもわかりやすく書いてくれています。
まずは、間違った行動について例を挙げてくれ、なぜダメなのかを、そしてではどうしたらよいのか、最後に自分がこうならないためにどうしたらいいのかを説明してくれます。
例えば前述のシチュエーションでは、認知症の症状だけでなく、難聴や記憶力の低下と記憶の残り方に差がある(起こった記憶が残りやすい)等の老化に伴う要因を挙げましたが、この場合はどうでしょうか。
まず、”短気で、すぐ手を上げようとする”場合は、間違った行動として、怒りを無理に抑えつけることを挙げています。聞こえにくいうえに、怒りの記憶の身が残り逆効果となります。
正しい対策としては、怒りの感情をなだめ、聞こえやすいようにまっすぐ前を向いてゆっくりと低めの声で話すことで落ち着いて状況を理解してくれるとしています。

また、自分がこうならないための予防策として、難聴にならないように大きな音で音楽などを聴かないことや自分の好きな曲を聴き、口ずさむことでも認知機能の維持や感情の制御に効果的だとしています。

”認知症の取扱説明書”を読んだ後は・・・

自分の周りの高齢者の方の中で認知症や認知症が疑われる方がいる場合は、本書に書かれている内容もとに関係を改善することができるかもしれません。
仮にそのような方が身の回りにいない場合でも、認知症の方の見方が変わり、そこから発展して、いろんな立場の方がいる中で、相手がどうしてこんなことをするのかを考え行動することで、周りの見え方が変わってくるかと思います。

まとめ

”認知症の取扱説明書”まとめ
”認知症の取扱説明書”は認知症の方がなぜこのような困った行動をするのかを認知症だけにとどまらず”老化”による機能の低下についても言及し、これらを踏まえて対策することが大切であると伝えてくれ、私は目から鱗が落ちる様でした。
認知症とそれに伴う困った行動について漠然とした不安や悩みを持つ方にぜひ読んでいただきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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