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どんなに親子の仲が良かったとしても、これからの健康問題や介護、亡くなったときのお墓や相続といった話はなかなかしづらいものですよね。ただ、これらのことは、直前になって慌てて対応すると、配偶者や子供、親戚などを巻き込んで面倒なことになる可能性もありますし、満足に見送ることができなかったことを後悔することになるかもしれません。
そのようなことにならないよう、事前の感度合わせをしたくてもなかなか言い出せなかったり、行動に起こしにくかったりします。そんな方にお勧めなのが、今回紹介する”親とさよならする前に 親が生きているうちに話しておきたい64のこと”です。
この本は、親と事前に話しておきたいことや、やっておきたいことに焦点を合わせて具体的なアクションが個別に書かれているところが他の本とは違う所です。
きっと、”これならできる”がこの本にはあるはずです。
それでは、よろしくおねがいします。
”親とさよならする前に”ってどんな本?
著者の方はどんな人?
著者の清水晶子さんは葬儀社に勤められて、役員にまでなった方です。
そして15年以上にわたり、年間1,000件以上の葬儀供養にかかわってきました。
更に、自身の祖母の見守り、介護を経験し、これらの重要性を世に広めるために、一般財団法人日本クオリティオブライフ協会を設立し、これからの長寿社会に向けて、全国で終活や生前整理に関するセミナーなどを開催されています。
”親とさよならする前に”が言いたいこと
この本では、生きている前に親と話しておくべきことをしっかりと話しておくことによって、親が病気や認知症になったり、いつか”さよなら”した後に残るお墓や相続、実家の後始末などの悩みや課題を出来るだけ軽くすることができるとしています。
そして何よりこの本では、最後に親子関係を私達自身で納得できるものとし、後悔の無いものとすることが大切だとしています。
”親とさよならする前に”から何が学べるか?
具体的な親が生きているうちに話しておきたいことや、やっておきたいことが具体的な形で提案されています。
そのひとつひとつが独立しており、”親の肩をさする”だったり、”親のなれそめを聞く”といったものから、”延命治療について話し合っておく”といったものまで書かれています。
まずはこれならできそうという所から初めて、親のことを理解し、これからの関わり方を後悔することのないようにするきっかけとすることができる、そんな本になります。
”親とさよならする前に”はどんな人におすすめか?
以上のことから、老人の取扱説明書は以下の方におすすめです。
- 高齢の親のこれからが不安な方
- これまで親との関係がうまくいっていなかった方
まず何から始めたらいいのと不安な方が多いかと思います。そのきっかけとして本書を利用するのはありなのかと思います。
その中でも、これまで親と上手くいっていなかった方にとっては、些細なことから始められる話題の振り方についても触れられていますので、本書を読むことで親との関わることのハードルが低くなると思います。
本書の目次
具体的に本書でどんなことが書かれているのかその目次を一部だけですが抜粋します。
なお、出版社であるサンクチュアリ出版のホームページには一部試し読みが可能となっていますので、気になる方はそこから見てみてください。
INTRODUCTION 親と話をする以前の話
・親と話してほしい6つの話
・親子だから、すぐに分かり合えるとは限らない
・親との距離を縮めるための5つのポイント
CHAPTER1 体・心の話
・好きな食べ物を聞く
・幼かったころの話をしてみる
・親のなれそめを聞く
CHAPTER2 病気・介護の話
・親の認知機能を知っておく
・だれに世話を頼りたいかを聞く
・親の入れ歯を洗ってみる
CHAPTER3 お墓・お葬式の話
・いっしょにお墓参りする
・好きな花を聞いておく
・6親等までの親族を把握する
CHAPTER4 お金の話
・親の資産を把握する
・できないことは「できない」と言う
・親を取引先だと思う
CHAPTER5 相続の話
・相続人を知る
・自分よりも若い弁押しに相談する
・遺言書を準備してもらう
CHAPTER6 実家の片付けの話
・一緒に片づける日を決める
・いっしょにアルバムを見る
・思い出の品にリメイクする
おわりに
監修してくださった専門家の皆さん/参考文献
”親とさよならする前に”にはどんなことが書かれているか?
では、本書には具体的にどのようなことが書かれているのか見ていきましょう。
親と話しておきたい6つの話すべきことがはっきりとわかります
まず、本書は親と今後のことを話すといっても、何を話したらいいかわからない読者のために、まず話しておきたいことを大きく6つに分けて説明してくれています。
- 体・心の話(親の現状を知り、心構えを持つ)
- 病気・介護の話(万が一そうなってしまった場合の親の希望を聞く)
- お墓・お葬式の話(金銭面や精神的にその時慌てないようにする)
- お金の話(老後の生活費や病気、亡くなった際に発生する費用を事前に知る)
- 相続の話(相続問題の発生を未然に防ぐ)
- 家の片付けの話(時間とお金の労力を出来るだけ抑える)
これらの6つのことを押さえておけば、実務的な備えや心の準備ができ、今後後悔の無い選択ができます。
親とのコミュニケーションの取り方についてのコツが書かれています
親と仲のいい人たちはまだいいですが、これまで親子の仲が良くなかった方も多いかと思います。
そのような状況の中で、子供として避けては通れない親のこれからのことを、仲が良くても聞きづらい前述の6つのことを話すのは気がめいってしまいますよね。
また、仲が良かったとしても、世代が異なれば価値観も違います。親との今後の話となると、価値観の違いがはっきりと出てくるかもしれません。
そこで、本書ではこれらの話をするにあたってのに親との距離を縮めるための5つのポイントを挙げてくれています。
- 季節の行事を活用する(直接会えるような行事をきっかけにする)
- 月に一度は電話する(高齢者の体調は1か月で激変する)
- 親を取引先だと思う(場合によっては戦略的に割り切って仲良くする)
- デリケートな話は第三者を例に出す(親が少しづつ話を聞いてもらえるように仕向ける)
- 一度に全部解決しようとしない(本書にて提案されていることを少しづつでも実践する)
まずは、自然に直接会える場を出来るだけ設けて、きっかけを作ること、そして、コンスタントに話をできるようにすることが大切だということを強調されています。
また、親子だからというある種の甘えを捨てて、仕事と同じように戦略的に少しづつでも目的を達成していくことが重要です。
親が生きているうちに話すべき・やるべきことが64項目書かれています
そんなにあるの!?と思われてしまうかもしれませんが、やれることからやったらいいのかと思います。
具体的には前述の目次の抜粋や出版社のホームページにの試し読みのページを見てください。
例えば、好きな食べ物を聞いてみるという項目があります。皆さん「そんなの、知っているよ」と思うかもしれませんが、年齢を重ねることによって食の好みや体調の変化により食べられないものも出てきます。
改めてこれを話題に挙げることで、闘病中などに好物をすぐに用意できます。
そして、気を付けるべき食物アレルギーについての情報も得ることができるかもしれません。
他にも”好きな花を聞く”や、”一緒にアルバムを見る”など、一見些細なことでも、実践することで、今後の親のことを知り、見守っていくうえで大切なこと、そして親との絆の構築に役に立つ具体的に64項目書かれています。
これならこれからの親との関係を考えるきっかけとして取り組みやすいのではと思います。
”親とさよならする前に”を読んだ後は・・・
何度も書いてしまっていますが、本書に書かれている”64の話すべき・やるべきこと”を少しづつでもやってみることだと思います。
これによって親が倒れたり、亡くなり、相続や墓問題、家の整理といった様々な問題について向き合うきっかけとなります。
そして、このきっかけを基に親との関係性を見直し、これまでとは違ったより深い親子関係を築くことができるかもしれません。
私もこの本を読んで、親と話す際の心構えや、話すきっかけを知ることができ親とこれらの問題に向き合う際の重い気持ちが軽くなりました。
まとめ
どうしても独立し家庭を持つような私達の世代は、自分のことや家庭のために目が向きがちです。
しかし、避けては通れない親とのこれからのことについて、少しでも目を向け行動をするきっかけとなるのが本書です。気になった方は一度本書を読んでみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。