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老親がストレスの方に ”うちの親には困ったものだ”レビュー

"うちの親には困ったものだ”をレビュー
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”親のことは気になるけど、昔から関わりにくい人で・・・”

”最近特に それに拍車がかかってしまってどうしよう・・・”

そんな方の助けになる本があります。

今回ご紹介する本はバーバラ・ケインさん、グレースレボウさん著、江口泰子さん訳の”うちの親には困ったものだ 老いた親とうまく付き合う方法”になります。

ただでさえ、どうしようと不安になる遠方の老親の見守りですが、本書はもともと親の性格が特殊で、親子関係が上手くいっていなかった方にとって、自身の親がどうしてそのような考え方、行動をしてしまうのかを理解するうえで貴重な一冊になります。

因みにこの本は、原著が1999年、翻訳され日本に出版されたのが2007年と、かなり古い本です。私が購入したのが、2017年でなかなか購入できなかったのですが、この本の存在を知り、ここまで具体的に困った親について具体的なケース分けがされており、対処法が明確なものはないなと感じ何とか購入しました。

現在ではamazonなどで中古の本が数百円程度でかなり安く購入できます。私は3年前の当時はamazonの中古品しか見当たらず、そこで購入しました。こういう時にネットショッピングは便利ですね。

それではよろしくお願いします。

目次

”うちの親には困ったものだ”ってどんな本?

”うちの親には困ったものだ”ってどんな本?

著者の人はどんな人?

著者であるバーバラ・ケインさん、グレース・レボウさんのおふたりは、アメリカで活躍する臨床ソーシャルワーカーです。

お二人は高齢者とその家族を対象として、カウンセリングやケアマネジメントなどの幅広い支援を行う組織であるエイジングネットワークサービシズ・オブ・ベゼスタ”を25年以上にわたりアメリカ メリーランド州で運営しています。

”うちの親には困ったものだ”が言いたいこと

著者のおふたりは困った親がなぜそのような行動をとるのかを実例を交えて解き明かし、その理由を理解することを読者に訴えかけています。

そして、理解を深めることで新たな親子関係を築くことができると言っています。

”うちの親には困ったものだ”で何が学べるか?

本書を読むことによって、冷静に困った親のことを見ることができます。

そして、困った親の抱える問題を知り、困った行動を起こすメカニズムを理解し、そうせざるおえない親を受け入れるきっかけが得られます。

そして、これらを得ることにより、親との新たな開かれた関係を開けるだけでなく、自身の子供にとって自分が困った親になることを防ぐことができます。

これらのノウハウは、周りの人にも応用でき、豊かな関係を築くことができるとしています。

”うちの親には困ったものだ”はどんな人におすすめか?

以上のことから、老人の取扱説明書は以下の方におすすめです。

  • 元々親とそりが合わない方
  • 親が年を取って、更に困った言動を取るようになり、悩んでいる方

これまで親と上手くいっておらず、これまでは離れていれば、被害は最小限に抑えられることができましたが、親も年を取っていくにつれ、いやでも関わらなければならない状態になっていきます。

本書ではそのような状況に苦しむ人に当てて書かれています。

本書の目次

”うちの親には困ったものだ”の目次

本書にはどんなことが書かれているのか一部ですが紹介します。

序章

・困った親のチェックリスト
・あなたの親が困った親なら
・親との苦痛な関係を変えるには?

1章 子供にしがみつく親
・生涯にわたる依存心が生じる原因
・高齢になってはじめて表れる
 依存心もある
・悲観のプロセスとうまくつきあう

2章 白か黒かで判断する親
・なぜ白か黒かで判断するのか?
・態度がころころ変わる親に
 どう対処するか?

3章 人をうんざりさせる親
・困った親はなぜあれほど抵抗するのか?
・不快な言動が恒例にあって
 初めて現れた場合
・うんざりさせる態度の奥に潜む孤独感

4章 自己中心的な親
・自己中心的な親と疲弊せずに
 付き合うには?
・親に同居できないと告げるとき
・従う必要も、逃げる必要もない

5章 支配したがる親
・コントロール魔の親への対処法
・さまざまなかたちの支配
・受難者ぶる親への対応は?

6章 自己虐待と抑うつに苦しむ親
・親が過去を断ち切るのを手伝うには
・抑うつという名の悪魔
・あなたにも助けが必要

7章 怖がりの親
・怖がりの親とうまく付き合う方法
・心気症でも、まず苦痛を認める
・PTSDの被害者を助ける

8章 喪失、悲嘆、喪の心理プロセス
・健全な方法で喪失と向き合う
・いつまでも嘆きつづける親に
 どう対処するか
・人生の総まとめを手伝う

9章 困った親にならないために
・自分が親にそっくりだと気づいたとき
・自分を変えるには
・困った親がなくなったあと

”うちの親には困ったものだ”にはどんなことが書かれているのか?

”うちの親には困ったものだ”にはどんなことが書かれているのか

自分の困った親の具体的な姿が見えるチェックシートが付いています

著者のおふたりは前述の通り、高齢者とその家族を対象として、カウンセリングやケアマネジメントなどの幅広い支援を行っています。

筆者らは、その場において数多くの困った親に悩まされる人々を見てきました。その際にまず最初に書いてもらうのがこれまでの経験を基に作成されたこのチェックシートです。

著者の許可なしには転載することができないため、概要だけ説明すると、40のチェック項目をチェックを入れていくことで、チェックの数で自身の親がどれだけ困った親で、かつどのようなタイプの困った親かがわかるようになっています

チェックシートは本書に記載されているので、気になる方は本書を購入してみてください。また、どのようなタイプかは前述の目次の各章に記載されているものになります。

チェックシートの結果を基に、自身の親に関係のある章を読み、具体的な解決策を確認できます

本書の1章から7章まで、チェックリストで分類した困ったふるまいについてそれぞれ事例を交えて解説されています。

そこにはなぜ、親がそのような行動をとってしまうのか、その心の中に潜む原因や、それによって引き起こされる問題行動に具体的にどう対処したのかが具体例をもって示されています。

ですので、自分の親に最も当てはまる章から読み進めてもらっても大丈夫です。

具体的な事例が示されているため、自身の経験と照らし合わせ、ではどうしたらいいのかを筆者の提案を基に考えながら、心構えと望ましい対処法を疑似体験できる作りになっています。

各章で共通しているのは、なぜ親がこのような行動をとっているのか。それは、親の元々の特性もありますが、何より親自身の家族との不幸な関係や、幼少期のトラウマなどがあるということを理解するということです。これをまずは理解することが第一です。

困った親が躓いている”喪失”に対する対処法について記載されています

人間は年齢を重ねるとともに、いろんなものを失っていきます。例えば、肉体的な能力(健康状態、見た目、運動能力)や、親や配偶者などの大切な人、自身のポジション、自立した生活、そして最後に自身の命が失われていきます。

このような喪失は大抵の人は時間の経過や周りの人のサポートがあり乗り越えていきますが、困った親となる人にとっては喪失を乗り越えることは困難を極めます。

元々自身を苦しめる原因があって、それを少しでも抑えるために困った行動をとっているわけです。

ですので、新たに年を重ねることに増えていく喪失を乗り越える余裕はなく、ますます困った行動に拍車がかかります。

この章では1~7章で親のことを理解し、対処法を身につけたうえで、人生の総まとめとして、自分のできる範囲で喪失のサポートをしてあげることが大切だと書かれています。

それは人生に苦しむ親を救うだけでなく、自身を救うことにも繋がります。

自分自身が困った親にならないようになるためのアドバイスが書かれています

本書のこれまでの内容から、困った親となる原因を理解し、そしてその対処法を学ぶことができました。

一方で、これらを学ぶことで自身ではどうか、親として自分の子供にどう接しているのかを気にする方も出てくるかと思います。

困った親につけられた傷は、自身のトラウマとなって心に刻み付けられます。そのトラウマから逃げるために困った行動をとってしまう・・・つまり、困った親に育てられた子供も、困った親になる可能性があります。

この章では、これまで学んできたことを自分自身に当てはめ、子供や周りの人たちに悪影響を及ぼしていないかを振り返り、改善し、良好な関係を築くための具体例が書かれています。

”うちの親には困ったものだ”を読んだ後は・・・

”うちの親には困ったものだ”を読んだ後は

本書のポイントは以下の2点です。

  • 困った親のふるまいには必ず原因があり、理解するとともに受け入れる
  • 理解したうえで適切な対処法を事例ごとに学び、実践する

まずは本書の事例で最も近いものを選び、試してみることだと思います。すぐに上手くいかないかもしれませんが、これらを基に親子関係やあなた自身に大きな変化が起こると筆者は本書に記しています。

その大きな変化とは、親に対する長年の恨みや怒り、罪悪感を軽くすることで親を受け止められ、新たな関係を構築するきっかけとなることです。

そして、このことは、子供や周りの人々に対しても豊かな関係を気付くことに繋げられると本書では書かれています。

 

小さなことでもまずは始めてみましょう。

まとめ

”うちの親には困ったものだ”まとめ

前述の通り、アメリカで出版されたのが1999年と比較的古い本になります。しかし、この本に書かれている内容は決して風化することがないものになっています。私も3年前に中古の本を購入し、目からうろこが落ちました。

本書を自身の場合とあてはめ、親がなぜそのような行動をとるのかを自分なりに理解することで、心の安定につながり、親と冷静に向き合えるようになったと感じています。

ぜひとも、amazonなどのショッピングサイトで中古の本を購入していただくか、図書館などで借りて読んでみて下さい。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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